Vimeoの帯域制限とは?特徴、影響、対策を徹底解説

Vimeoで動画配信や、アップロードしてみようと考えてはいませんか?VimeoはYouTubeのように動画を共有できるサービスですが、YouTubeと違う点がいくつかあります。

そのなかでも帯域制限という独自の仕組みがあります。インターネットを検索するとこの帯域制限にかかり、高額請求された方もいるみたいです。

そこで、この記事ではVimeoの帯域制限について解説していきます。帯域制限の特徴や帯域制限が視聴者や動画投稿者に与える影響、そしてこの問題を避けるための対策について、わかりやすく解説します。Vimeoの動画を快適に楽しむために、帯域制限についてしっかりと学んでいきましょう。

Vimeoとは何か

Vimeo(ヴィメオ)は、2004年にアメリカで作られた動画を共有するためのウェブサイトです。このサイトは特にクリエイティブなアーティストや企業向けに設計されています。例えば、映画制作者やアニメーター、デザイナーなどが多く使っています。

Vimeoの機能とサービス

Vimeoは、YouTubeのように動画をアップロードすることができます。そんなVimeoの特徴は、高画質の動画をアップロードできることや、広告なしで動画を再生できる点です。ここではVimeoの機能とサービスを解説していきます。

高画質動画のアップロード

Vimeoでは、HD(ハイビジョン)や4Kといった高画質の動画をアップロードできます。

高画質の動画は視聴者が楽しんで見ることができるので、満足度が高くなりやすいです。また、映像の細部まできれいに映せるので、プロフェッショナルな印象を与えることもできます。

こういった利点は、ビジネスやクリエイティブなプロジェクトにとっては重要になってくるポイントです。

広告なしの再生環境

Vimeoは広告を表示しないため、スムーズに動画を楽しむことができます。

動画をスムーズに楽しめると視聴者はストレスを感じにくいため、リピーターに繋がる可能性があります。

また、広告が入らないほうが集中して視聴できるので、教育用の動画やプレゼンテーションなどの動画は非常に向いていると言えるでしょう。

プライバシーの保護とセキュリティの高さ

Vimeoでは、自分の動画をパスワードで保護することができます。こうすることで、特定の人にしか視聴できなくなるので安全です。

例えば、家族のイベントの動画を友達にだけ見せたい場合、その動画にパスワードを設定すると、パスワードを知っている人だけが見ることができます。

また、動画を公開する際に、視聴者を制限することも可能です。動画を全世界に公開するのではなく、特定の人やグループにだけ見せることができます。こうすることで、自分の動画を見てほしい人だけに見せることができます。

カスタマイズ可能な動画プレイヤー

Vimeoは動画プレイヤーを自由にカスタマイズできる点も特徴的です。

色変更やロゴの表示・非表示、サイズ調整や自動再生とループ再生など、多くの機能を利用できます。

例えば、仕事で使う動画をアップロードする場合、プロジェクトのテーマカラーに合わせてプレイヤーの色を変更することが可能です。これにより、ウェブページ全体のデザインと調和し、メッセージ性のある印象を与えることができます。

また、プレイヤーサイズを変更をすることで、ブログのサイドバーに小さな動画を埋め込んだり、メインコンテンツとして大きな動画を表示したりできます。

他の動画共有サイトとの違い

Vimeoと他の動画共有サイト(例えばYouTube)には、いくつかの違いがあります。以下で、VimeoがYouTubeと違う点を解説します。

広告の有り/無し

Vimeoでは、無料ユーザーにも有料ユーザーにも広告が表示されません。それは、収益モデルがサブスクリプションモデル(定額制サービス)だからです。

一方、YouTubeは主に広告収入で運営されており、動画の前後や途中に広告が入ることが一般的です。広告なしで快適に動画を視聴したい場合はVimeoがおすすめです。

また、動画の販売とレンタルも可能な点もYouTubeと違う点になります。

ユーザー数

Vimeoには約3億人の登録ユーザーがいます。一方、YouTubeには毎月20億人以上のログインユーザーがいます。

この違いは、Vimeoが高品質な動画コンテンツとプライバシー機能に重点を置く、プロクリエイター向けのプラットフォームだからです。

一方YouTubeはカジュアルな視聴者から本格的なコンテンツクリエイターまで、非常に幅広いためユーザー数が多くなっています。

動画の投稿条件

Vimeoでは投稿者が作成した、オリジナル作品の動画しか投稿できません。一方、YouTubeは誰でも簡単に投稿できるため、クオリティの低い動画や重複コンテンツなどが投稿されることもあります。

Vimeoは、プロが制作したクオリティの高い動画が投稿されやすく、YouTubeはクオリティが低いものから高いものまで数多く投稿されているということが言えるでしょう。

映像作品やドキュメンタリーなど、高品質な動画が多く配信されているVimeoは、企業やプロの動画クリエイターなど、高いクオリティの動画を作りたい人向けとなっています。

帯域制限とは何か

帯域制限とは、インターネット接続の速度やデータ使用量に制限をかける仕組みのことです。

特定のユーザーやサービスが過度に帯域を使用するのを防ぎ、全体的なネットワークのパフォーマンスを維持します。例えば、インターネットサービスプロバイダー(ISP)は、ネットワークが過負荷にならないように、一定のデータ使用量を超えたユーザーに対して速度を制限します。

こうすることで、他のユーザーが快適にインターネットを利用できる環境を保つことが可能です。

Vimeoの帯域制限の仕組み

Vimeoの帯域制限の仕組みについて解説していきます。Vimeoでは、全てのユーザーが快適に動画を視聴できるように、特定の制限を設けています。

この制限は、動画のアップロードや視聴の際に適用されるもので、プラットフォーム全体のパフォーマンスを維持しながら、すべてのユーザーに公平な利用環境を提供するために重要なものとなっています。

Vimeoの各プラン

Vimeoには、ユーザーのニーズに合わせていくつかのプランが用意されています。それぞれのプランで、利用できる機能や料金が違います。

プラン 料金(月支払い/年間支払い) ストレージ総容量 帯域幅
Free 無料 1GB 2GB/月
Starter 2,000円/14,400円 100GB 2GB/月
Standard 4,833円/34,800円 1TB 2GB/月
Advanced 9,167円/66,000円 5TB 2GB/月
Enterprise 問い合わせ 無制限 カスタム

Vimeoのプランごとの違いを解説していきます。

Freeプラン

Freeプランは無料で利用できるプランで、動画ストレージの総容量は1GBです。月々2TBの帯域幅の制限もあります。

無料でも広告はでませんし、動画の作成やアップロードができます。しかし、動画作成のツールが限られていたり、ストレージの容量が多くないので、たくさんアップロードする人には向いていないでしょう。

とりあえず始めてみたい人にはいいかもしれません。

Starterプラン

Starterプランは月間支払いの場合、月額2,000円で、年間支払いの場合は、年額14,400円で利用できるプランです。動画ストレージの総容量は100GBで、月々2TBの帯域幅の制限があります。

Freeプランよりと比べて、動画のプライバシー設定機能や自動字幕、動画プレイヤーのカスタマイズ機能などが使えるようになっています。

また、動画のレビューや共同作業の機能も追加されています。複数の人で動画の編集や配信を行う予定のある方には向いているプランと言えるでしょう。

Standardプラン

Standardプランは月間支払いの場合、月額4,833円で、年間支払いの場合は、年額34,800円で利用できるプランです。動画ストレージの総容量は1TBで、月々2TBの帯域幅の制限があります。

Standardプランで追加された機能は、プレーヤーと動画のブランディングやテキストベースの動画編集などがあります。

さらにVimeoオンデマンドで動画を販売できるようになります。動画の販売で収益を上げたい方はこちらのプランからがおすすめです。

Advancedプラン

Advancedプランは月間支払いの場合、月額9,167円で、年間支払いの場合は、年額66,000円で利用できるプランです。動画ストレージの総容量は5TBで、月々2TBの帯域幅の制限があります。

Advancedプランで追加された機能は、ライブ配信とウェビナーのホスティングや、視聴者チャット、アンケート投票などがあります。

ライブ配信やバーチャルイベント、ウェビナーを開催して収益を上げたい方はこちらのプランからがおすすめになります。

Enterpriseプラン

Enterpriseプランは価格については要相談となっていて、動画ストレージの総容量は無制限です。月々の帯域幅の制限はカスタムとなっており、こちらも要相談となっています。

Enterpriseプランでは、利用可能な機能すべてが使えます。具体的には、3つ以上の動画を同時にライブストリーム配信することや、24時間年中無休のサポート(メール、電話)などがあります。

さらに、マーケティングや分析も行っているので、企業やチームなどで利用する形が考えられます。利用したい方は、申込みではなく問い合わせをする必要があるので注意してください。

帯域制限の影響

帯域制限は、インターネットを通じてデータを送受信する際の制限のことです。動画をオンラインで視聴したりアップロードしたりするとき、この制限が大きく影響します。実際にどんなことで困るのかを見ていきましょう。

動画アップロード時の影響

帯域制限を超えると、動画のアップロード速度が遅くなったり、アップロード中の接続が不安定になる可能性があります。

例えば、アップロードに時間がかかったり、アップロードが途中で止まったりすることです。また、エラーが発生して最初からやり直さなければならない時もあるかもしれません。

特に、長時間の動画や高画質の動画は、データ量が多いため、帯域制限の影響を受けやすいです。

視聴者への影響

帯域制限を超えると、動画の再生が遅くなったり、バッファリングが発生したり、画質が低下したりという問題が考えられます。

 バッファリングとは、再生が途中で止まったり、読み込みが必要な状態になることを指す

Vimeoでは高画質な動画と広告のないスムーズな動画が特徴となっているので、画質の低下や再生速度の低下はサービスの質を落とすことになってしまいます。

また、帯域制限が原因でVimeoの使用感に悪い印象を持つこともあります。他の動画プラットフォームと比較して、サービスに満足できない視聴者は、移行してしまう可能性もあります。

帯域制限を避ける方法

帯域制限を超えると、動画のアップロードに時間がかかったり、動画の再生速度に影響がでたりと、問題が出てきます。

収益を上げたい人にとっては、大きな問題ですよね。そこで、帯域制限を避けるためにできることを解説していきます。

動画の長さを短くする

長時間の動画はそれだけで多くの帯域幅を消費します。必要な情報を伝えつつ、動画を短くする工夫をすることで、帯域幅の消費を抑えることができます。

また、長い動画は複数の短いパートに分けて配信することも一つの方法です。どうしても長い動画が必要な場合は、動画の圧縮と最適化をしてみましょう。

動画を圧縮することで帯域幅の消費を抑えられます。圧縮するときは、画質を落とさないように注意しながら行うようにしてください。

ビットレートとストリーミング画質の設定

高画質の動画は高いビットレートを使用し、帯域を多く消費します。4K動画よりも1080pや720pに画質を調整することで、必要な帯域を減らすことができます。

ビットレートを低くしすぎると、動画の品質が低下してしまいます。適切なビットレートを見極めることが重要です。

また、視聴環境に応じて画質を選択できるように、複数の画質オプションを提供することも大事な要素になってくるでしょう。

帯域制限になってしまったときの対処法

帯域制限になってしまった方に向けて、対処法を記していきます。「公式のヘルプセンターをみればわかります」という方は以下を参照してください。

http://Vimeoの帯域幅 公式ヘルプセンターより

帯域制限になったら連絡が来る

Vimeo帯域制限でインターネットを検索すると、高額請求を求められた人や、アカウントを停止させられた人がいるようです。

しかし、公式のヘルプセンターでは以下のように記してありました。

Q:帯域幅の月々の制限値を超えるとどうなりますか?

A:通常、ユーザーが月々 2TBの制限値を超えた場合、制限によりストリーミング機能が停止されることはありません。代わりに、ユーザーは帯域幅の使用量をVimeoの1ヶ月の制限未満に保っていただくよう、自動通知を受け取ります。次の場合、Vimeoのチームから連絡をさせていただく場合があります:

・帯域幅の使用量が過去 12 ヶ月間に、月々の 2TB を少なくとも 2 回超過した場合

・または過去 12 ヶ月間に月々の使用量が 10TB を 1 回超えた場合

となっているので、いきなり高額請求が来たり、アカウントを停止させられることはありません。もし連絡が来た場合は、連絡をよく確認して対処しましょう。

帯域制限解除の方法

帯域制限について連絡が来た場合、次の選択肢があります。

Q:帯域幅の使用量に関してVimeoの担当者から連絡があった場合、どのような選択肢がありますか?

A:この場合にはいくつかのオプションがあります。Vimeoの目的は、お客様のニーズに最適なソリューションをご提案することです。これには以下が含まれます:

・帯域幅の使用量を月々 2TB未満に削減し、現在のVimeoプランを継続する。

・VimeoカスタムまたはEnterpriseアカウントへアップグレードする(料金は予測される帯域幅の使用量によって異なります)。料金は他社に比べて良心的な価格です。

・Vimeoがニーズに合わず最適なソリューションでなくなった場合に備えて、乗り換えの代替オプションを検討する。

ちなみにこちらも公式ヘルプセンターの抜粋になります。ご自身に合ったものを選んで頂ければと思います。

帯域制限解除には期限がある

帯域制限になり、連絡が来てから30日以内に返答する必要があります。Vimeoから複数回メールで連絡がありますが、忘れてしまうことも考えられます。

もし30日を過ぎてしまった場合、アカウントが一時的に停止される可能性があります。しかし、その後連絡をし、帯域制限の解除ができればアカウントも復活できます。

また、帯域制限についてのメールが英語で来る可能性も考えられます。その場合は翻訳機能を使って理解するようにしましょう。

まとめ

今回はVimeoの帯域制限について解説してきました。Vimeoは高画質な動画を広告なしで配信できるので、企業やプロの動画クリエイターに活用されています。また、動画の販売やレンタルができるのも特徴です。

一方で帯域制限がある点にも注意しなければなりません。動画の再生速度や画質に影響が出てきてしまいます。

もし帯域制限になっても、いきなり高額請求されることはないので安心してくださいね。